(市場調査レポート)におい検知の可視化 2023 ~ においの検出・伝送と再現を実現するデジタル嗅覚テクノロジ ~

発刊日:2023年7月
ページ数:206ページ
税抜価格:600,000円(電子ファイルのみ)/ 650,000円(ハードコピー及び電子ファイル)

概要

本調査レポート「におい検知の可視化 2023~ においの検出・伝送と再現を実現するデジタル嗅覚テクノロジ ~」では、デジタル嗅覚技術の進展に着目し、「においのデジタル検出技術」と「においのデジタル伝送と再現」における、現在の課題や将来動向を示す事を目的としている。 「においの検出・伝送と再現」全体としては、2033年の3兆2,480億円のポテンシャルを示し、2023年からCAGR 32%の成長を示す。 においの検出・伝送と再現を実現するデジタル嗅覚テクノロジは、研究開発面では多くの課題を抱え社会実装にも苦しむ状態ではあるが、将来に向け、非常に大きなポテンシャルをもつ、一連の嗅覚ビジネスを創り上げる可能性の高い領域である。

「においのデジタル検出技術」においては、特ににおいセンサの市場動向と社会実装に於ける課題を中心にまとめている。 小型・高感度なトランスデューサによるマルチセンサアレイ方式のにおい識別センサは、市場開拓の途上にあるが、有用でありながら、まだ期待通りの市場獲得の成果を得ていない。本書では、現状の社会実装に於ける課題を整理するとともに、それをベースに技術開発を含めた今後の市場導入の進むべき方向性としての業界動向を示した。

「においのデジタル伝送と再現」において、現状のディフューザとは異なる進化したデジタルディフューザの研究動向と実現のための重要技術に関して整理している。 においは他の感覚による刺激とは異なり、強烈な情動や連想を即座に引き出し、その情動がもたらす生理的・行動的な反応を活性化する。においに対する感情反応は、高次の認知プロセスを介さずに瞬時に起こることである。香りはアロマテラピーにおけるリラクゼーション効果、集中力や認知機能の改善などの他、VRにおける空間のリアルな再現や、各種商業施設に於ける心地よい空間演出、ブランドアイデンティティの向上などの効果が期待できる。簡易なディフューザから業務用のディフューザまで既に様々な製品化がなされ、我々の生活に溶け込んでいる。 精密なにおいデータベースに基づき、その場の状況に応じて、適切な香りを現場で調合して再現することが可能になることにより、VRにおいてもリアル社会においても、その応用は更に拡大することが想定される。 人間の嗅覚反応とにおいの検出・伝送と再現に関する嗅覚テクノロジの関連を次の図に示すが、本書では、デジタル嗅覚、デジタルディフューザに関わる最近の研究動向を整理している。同図では、においセンサを、社会実装用の社会実装においセンサとともに、においの再現に使用する要素臭の分析等が可能な分析情報を提供する精密なデジタル嗅覚センサについても言及している。

目次

1. 本調査レポートの背景および定義
    1.1. 本調査レポートの背景と調査対象
2. Executive Summary
3. におい関連ビジネスの大きな方向性
    3.1. においの検出・伝送・再現に係るビジネスの全体像
    3.2. 「においのデジタル検出技術」の概要
    3.3. においのデジタル伝送と再現技術の概要
        3.3.1.1. デジタル嗅覚の台頭(Business Scents: The Rise of Digital Olfaction)
4. においのデジタル検出と分析
    4.1. においセンサ概論
        4.1.1. においセンサの特徴と課題
            4.1.1.1. ガス、におい検知の動向、方式分類、目的、感度、アプリマップ
            4.1.1.2. ガス、においの単位と各種数値
            4.1.1.3. 検知閾値、認知閾値
            4.1.1.4. 現状のにおい分析手段(B2B)
            4.1.1.5. におい・嗅覚 関連団体/業界団体
        4.1.2. においセンサの技術概要
            4.1.2.1. においセンサの構成
            4.1.2.2. 人間の嗅覚の仕組みとデバイスによる模倣
            4.1.2.3. においセンサのキーテクノロジと構成
            4.1.2.4. ガス・においセンサのトランスデューサ技術分類
        4.1.3. それぞれのトランスデューサの原理概論
    4.2. においセンサの開発と社会実装の現状
        4.2.1. におい検知のための新たなセンシング技術の研究動向
            4.2.1.1. 研究で多用されるe-nose の例
        4.2.2. 新たなセンシング技術の研究動向(論文・特許)
        4.2.3. 国内外に於ける研究開発機関・企業の取り組み
            4.2.3.1. 国内研究開発動向(大学・研究機関)
            4.2.3.2. 国内研究開発・実用化動向(企業)
            4.2.3.3. 呼気に関する研究開発動向(大学・研究機関)
            4.2.3.4. 海外研究開発動向(大学・研究機関)
            4.2.3.5. 海外研究開発・実用化動向(企業)
            4.2.3.6. その他のセンサリスト
            4.2.3.7. ガスセンサ製品例
        4.2.4. においセンサ用AI開発の動向
            4.2.4.1. AI開発の研究動向(レビュー論文・特許)
            4.2.4.2. AI開発の研究開発・実用化動向(大学・研究機関、企業)
            4.2.4.3. ニオイ分析経験のあるAIベンダリスト
    4.3. マルチセンサアレイにおいセンサのアプリケーション
        4.3.1. アプリケーションの可能性と分類
            4.3.1.1. においセンサの技術特徴とアプリケーション分野との関係
            4.3.1.2. においセンサの設計方向とアプリケーション分野との関係
            4.3.1.3. 広範な嗅覚能力獲得のための開発内容
    4.4. 現在のにおいセンサ社会実装における課題
        4.4.1. 課題感 概要
        4.4.2. においの見える化が難しい理由(におい化学研究所 喜多氏)
        4.4.3. においセンサの技術的課題と実装のための調査
            4.4.3.1. においセンサの技術的課題
            4.4.3.2. においセンサ実装の課題につながる研究例
        4.4.4. 市場導入のためのにおいセンサ設計とアプリケーション
        4.4.5. においセンサのビジネス上の課題感
        4.4.6. においセンサの社会実装に帯する事業者の認識
        4.4.7. 社会実装に於ける事業者の声と改善・最適化の方向性
5. においのデジタル伝送と再現
    5.1. においのデジタル伝送と再現の概要
        5.1.1. 香りを捕獲・分類・伝送・再現するデジタル嗅覚に関する調査文献
        5.1.2. 多様なにおい再現のための手法 主要な例
        5.1.3. においの持つ意味合いと役割(学問的な背景など)
            5.1.3.1. 嗅覚とメンタルヘルスの関係
    5.2. においのデジタルデータベース化と伝送
        5.2.1. においのデジタルデータベース化と伝送 概要例
        5.2.2. デジタルデータベース化のためのにおい検知手段
        5.2.3. データベース実用例(研究含む)
        5.2.4. データベース研究例
            5.2.4.1. ヒトの嗅覚知覚における多様なタスクを統合するプリンシパルオドールマップ
            5.2.4.2. におい、におい物質、嗅覚受容体、におい物質と受容体の相互作用を探求するためのリポジトリ
            5.2.4.3. 代謝活動が嗅覚の表象を体系づける
    5.3. ディフューザ(Scent Release device)
        5.3.1. ディフューザ例
        5.3.2. ディフューザの例
    5.4. ディフューザのアプリケーション
6. においの検出・伝送と再現の市場規模
    6.1. におい検知の市場
        6.1.1. 世界市場規模
    6.2. アプリケーション分類による世界市場規模の具体的推定
        6.2.1. 分類ごとの市場規模推移
        6.2.2. 分類別の詳細市場規模推移
    6.3. デジタルディフューザ機器市場
    6.4. まとめ 「においの検出・伝送と再現」の市場規模
図表
    FIG. 1 人間の嗅覚反応とにおいの検出・伝送と再現に関する嗅覚テクノロジ
    FIG. 2 におい計測の重要な方向性
    FIG. 3 本レポートの対象となるにおいセンサの形状分類
    FIG. 4 においビジネス全体像
    FIG. 5 The Rise of Digital Olfaction
    FIG. 6 香り4.0研究会
    FIG. 7 香り4.0研究会  香りの知覚
    FIG. 8 香り4.0研究会 香り×人間情報データベースの構築
    FIG. 9 ガス・におい検知開発動向
    FIG. 10 ガス検知・におい検知 方式と目的
    FIG. 11 本調査が対象とするにおい濃度とアプリケーション
    FIG. 12 臭気濃度、臭気指数
    FIG. 13 においを表わす単位
    FIG. 14 B2Bにおけるガス・においの分析
    FIG. 15 現場ガス分析事例
    FIG. 16 人間の嗅覚の仕組みとデバイスによる模倣
    FIG. 17 人間の嗅覚の仕組みとデバイスによる模倣(新村 東京医科歯科大学)
    FIG. 18 デバイスによる模倣(マルチセンサアレイ)
    FIG. 19 においセンサのテクノロジ
    FIG. 20 においセンサ参入企業の役割分担
    FIG. 21 ガス・においセンサのトランスデューサ技術分類
    FIG. 22 金属酸化物半導体
    FIG. 23 検出原理 QCM,SAW
    FIG. 24 SPRセンサ
    FIG. 25 Bio-Inspired Strategies: A Review
    FIG. 26  gas sensors based on nanostructured materials
    FIG. 27  FET gas sensors
    FIG. 28  QCM based gas sensors
    FIG. 29 Nanomaerial-based sensors for VOC detection
    FIG. 30 固体シリコンナノワイヤベースセンサ
    FIG. 31  Medical Care
    FIG. 32 脂質二重膜に再構成された昆虫嗅覚受容体を用いた高感度VOC検出器
    FIG. 33 脂質二重膜に再構成された昆虫嗅覚受容体を用いた高感度VOC検出器
    FIG. 34 Low Cost Optical Electronic Nose for Biomedical Applications
    FIG. 35 九州大学 今井研究室
    FIG. 36  MSS (Membrane-type Surface stress Sensor)
    FIG. 37 NanoWorld/東陽テクニカ
    FIG. 38アロマビット QCM型とCMOS型
    FIG. 39 株式会社アロマビット 小型ニオイセンサ 5C-SSM
    FIG. 40 Aroma Coder V2
    FIG. 41 コンセプトモデル「AROMAROID」
    FIG. 42 JAIST-太陽誘電 においセンサの共同開発
    FIG. 43  nose@MEMS
    FIG. 44  noseStick
    FIG. 45  新Kunkun dental
    FIG. 46 欧州における疾病検出においセンサの研究団体
    FIG. 47 The schematic overview
    FIG. 48 Owlstone Technology
    FIG. 49 Technion
    FIG. 50 Sniffphone
    FIG. 51 CEA-Leti (France, 電子情報技術研究所)
    FIG. 52 Nanoscent
    FIG. 53  DOAC members
    FIG. 54 Aryballe Si-Ph Olfactory sensor-1
    FIG. 55 Aryballe Si-Ph Olfactory sensor-1
    FIG. 56  DEVICES AND METHODS TO COMBINE NEURONS WITH SILICON DEVICES CROSS-REFERENCE
    FIG. 57 Koniku Scent-Detecting Device
    FIG. 58  BRAIN CELL COMPUTER CHIP COULD CONTROL DRONES
    FIG. 59 Sensigent
    FIG. 60 Sensigent データ分析
    FIG. 61 Nanosniff
    FIG. 62 NanoSniffer 微量爆発物検出
    FIG. 63 Foodsniffer
    FIG. 64  Results Foodsniffer
    FIG. 65 The e-nose Company
    FIG. 66 Data Processing
    FIG. 67 Electronic Nose and Its Applications: A Survey-1
    FIG. 68 Electronic Nose and Its Applications: A Survey-2
    FIG. 69 Current e-nose applications
    FIG. 70  Challenges in e-nose systems
    FIG. 71 生物由来の人工細胞とAIを組み合わせた人工嗅覚
    FIG. 72 Continuous prediction in chemoresistive gas sensors using reservoir computing
    FIG. 73 MSS/大阪大学のAI研究
    FIG. 74 ガス流量制御無しの伝達関数比に基づくフリーハンドのガス識別
    FIG. 75  NEC においの電子化~ 分析技術
    FIG. 76  最先端嗅覚IoTセンサに基づくにおいデータマイニング
    FIG. 77 NEC異種混合学習技術
    FIG. 78  Using Deep Learning to Predict the Olfactory Properties of Molecules
    FIG. 79  Machine learning (Google)
    FIG. 80  Headwaters
    FIG. 81 においセンサの技術特徴とアプリケーション分野との関係
    FIG. 82 デバイス設計特徴とアプリケーション分類の関係
    FIG. 83 センサ素子数(感応膜種類数)の増加による高性能化
    FIG. 84 においセンサ 技術課題
    FIG. 85 Artificial olfactory sensor technology that mimics the olfactory mechanism: a comprehensive review
    FIG. 86 A LITERATURE REVIEW OF SCENT TECHNOLOGY AND ANALYSIS ON DIGITAL SMELL
    FIG. 87 機械学習によるスマートe-nose技術の進展
    FIG. 88 Summary Receiver Operating Characteristic (SROC) Curve Analysis of All Electronic Noses
    FIG. 89 Applications of E-nose for fermented food and beverage
    FIG. 90 デバイス設計とアプリケーションの関連性
    FIG. 91 においセンサのビジネス上の課題感
    FIG. 92 社会実装に於ける事業者の声と改善・最適化の方向性
    FIG. 93 多様なにおい再現のための手法 主要な例
    FIG. 94 NIMS 擬原臭の判定-1
    FIG. 95 NIMS 擬原臭の判定-2
    FIG. 96 嗅覚ディスプレイ-1
    FIG. 97 嗅覚ディスプレイ-2
    FIG. 98 嗅覚とメンタルヘルスの関係
    FIG. 99 Olfactory Virtual Reality (OVR) for Wellbeing and Reduction of Stress,Anxiety and Pain
    FIG. 100 各社のデフューザーを構成するセンサ・DB・デフューザー 代表的な例
    FIG. 101 ヒト嗅覚システムを再現したにおいセンサーの開発
    FIG. 102 REVORN
    FIG. 103 香味発酵株式会社
    FIG. 104 香味発酵 においの数値化でできること
    FIG. 105  NTTデータ×香味発酵
    FIG. 106  A Principal Odor Map Unifies Diverse Tasks in Human Olfactory Perception 要約
    FIG. 107 A Principal Odor Map Unifies Diverse Tasks (図1)
    FIG. 108 OlfactionBase
    FIG. 109 NanoSmells: Artificial remote-controlled odorants
    FIG. 110 Predicting natural language descriptions of mono-molecular odorants
    FIG. 111 Predicting natural language descriptions of mono-molecular odorants(図1)
    FIG. 112 Predictive modeling for odor character of a chemical using ML combined with natural language processing
    FIG. 113 Metabolic activity organizes olfactory representations
    FIG. 114 Metabolic activity organizes olfactory representations(図2)
    FIG. 116  Aroma shooter
    FIG. 117 Scentee Machina
    FIG. 118 Remni SCENT
    FIG. 119 におい提示装置
    FIG. 120 OVR ION
    FIG. 121 OLORAMA Technology
    FIG. 122 Scentscape Bio-Media Application
    FIG. 123 Scentscape Bio-Media
    FIG. 124 においセンサの世界市場ポテンシャル
    FIG. 125  においセンサの特徴によるアプリケーション分類
    FIG. 126 分類と市場規模推移(数量(M))
    FIG. 127 分類と市場規模推移(金額(億円))
    FIG. 128 分類A アプリケーション別市場規模推移
    FIG. 129 分類B アプリケーション別市場規模推移
    FIG. 130 分類C アプリケーション別市場規模推移
    FIG. 131 分類D アプリケーション別市場規模推移
    FIG. 132 Scent synthesizer 市場規模推移
    Table 1  生体ガス成分と検出濃度・検出意義
    Table 2 におい成分の種類と認知閾値
    Table 3 臭気強度と濃度の関係
    Table 4  におい・嗅覚 業界団体
    Table 5 におい・嗅覚 関連学会
    Table 6  代表的なセンサアレイ向けトランスデューサの特徴と課題
    Table 7  Sensor types and their properties
    Table 8 Most known electronic noses
    Table 9  Main applications of e-nose in disease diagnosis. N/A = not mentioned.
    Table 10 国内研究機関の嗅覚研究の状況-1
    Table 11 国内研究機関の嗅覚研究の状況-2
    Table 12 国内各社のにおいセンサ開発・実用化動向
    Table 13 呼気センサ 研究・実用化の状況例
    Table 14  海外研究機関の嗅覚研究の状況
    Table 15  海外研究機関の嗅覚研究の状況-2
    Table 16 海外各社のにおい・ガスセンサ開発・実用化状況-1
    Table 17 海外各社のにおい・ガスセンサ開発・実用化状況-2
    Table 18   Sensors and their applications in PEN3
    Table 19 国内の口臭・体臭ガスセンサ 研究・実用化の状況例
    Table 20 国内のガスセンサ 実用化の状況例
    Table 21  嗅覚センサAI 主な研究開発と実用化状況
    Table 22 におい分析経験のあるAIベンダリスト
    Table 23  Summary for drift compensation by ensemble
    Table 24 Characteristics and Outcomes of All Studies Included in the Qualitative Analysis-1
    Table 25 Characteristics and Outcomes of All Studies Included in the Qualitative Analysis-2
    Table 26 Characteristics and Outcomes of All Studies Included in the Qualitative Analysis-3
    Table 27 Characteristics and Outcomes of All Studies Included in the Qualitative Analysis-4
    Table 28 デジタル香気技術の限界(2017年以降のみ)
    Table 29 Summary of different databases related to olfaction.
    Table 30 各社のディフューザ